ホームページの発注前に考えて置かなければならないことがいくつかありますが、その中の一つに「ホームページ」を誰に見てもらうのかを考えるというフェーズがあります。
つまり閲覧してほしい「ターゲットを絞る」というところになります。
ホームページやサービスのユーザー像を明確にすることにより、より顧客に寄り添った文章やデザインの設計をすることができます。
ホームページの制作会社は、ターゲットを想像することはできますが、あくまでも妄想したり、過去の統計や仮説を立てることしかできません。実際のところ、ホームページ発注者側、つまりサービスや会社を運営している御社が、ターゲットに関する情報の大部分を握っています。
そのターゲットを分析して、うまくサイトに表現するための方法についてご紹介いたします。
ペルソナって聞いたことありますか?
Webサイトやホームページのユーザー像を考える際に、「ターゲット」という言葉を使うこともあるかと思います。それに類似した用語として「ペルソナ」という言葉があります。
ペルソナとは、商品やサービスを利用している典型的な顧客像のことを指します。 ペルソナで定められる顧客像には、氏名、年齢、性別、 家族構成、 出身地、居住地、職業、役職、年収、趣味、価値観、生い立ち、休日の過ごし方、所持しているデバイス、よく利用するSNSなど…身体的特徴に至るまで、かなり詳細な情報が盛り込まれます。
「ターゲット」と「ペルソナ」の違いは人物像の深さになります。「ターゲット」はユーザーの人物像にある程度の幅が持たされています。それに対してペルソナは、そうした幅のあるユーザー像を、さらにリアリティのあるものへと具体化していくことで、より情報の制度をあげていきます。
ターゲット | ペルソナ | |
人物像 | ぼんやりしていて抽象的 | 具体的で明確 |
内容 | 年齢、勤務地の売上規模、役職やスペック | 価値観やパーソナルなデータまで個人に関する幅広い情報 |
情報源 | 過去の経験やデータからの想像 | 実際の調査や利用顧客データからの数値や、リアルな情報 |
データ収集方 | 営業からのヒアリング 顧客統計レポートなど | ユーザーインタビュー、ユーザー観察、アクセス解析、CRMデータ |
ペルソナの必要性
サービスや商品というのは、それを利用する顧客の問題や課題を解決するためにあります。GoogleやYahooなどの、検索窓に入力される単語は、課題を解決したり、それについて深く知りたいというような欲求や問題を入力します。
その顧客の課題や欲求に対して、どんな情報を提供すれば、解決できるのか、欲求を満たすことができるのかを、できるだけリアルなシチュエーションで想像し、理解をする必要があります。
また、ホームページを制作してくれる制作会社や、御社側でホームページやサービスについての具体的なイメージを共有することにも役立ちます。
ペルソナを設定することで得られるメリット
なるべく詳しい、リアリティのある人物像であるペルソナを設定することで、以下のようなメリットを得ることができます。
ユーザー目線でホームページについて考えることができる
実際にホームページを誰に見てもらうのかという、「誰に」をより具体的に設定することによって、より閲覧してくれる側の目線に立った、コンテンツやデザインを作り上げることができます。
例えば、「Aさんはサービス導入にあたってどんな情報を必要としているのか?」「Bさんならこの文字の大きさをどのように感じるか?」など、相手を起点にした、発想や議論を生むことができます。
意思決定を迷わず、すばやく行える
ホームページ制作に携わっているメンバーが経験から想像した人物像を元に、相談を始めてしまうと、ホームページの閲覧者に伝えるべき内容に一貫性が持てず、意思決定に時間がかかってしまいます。
ペルソナは一度明確化して作ったものを何度も、迷ったら立ち返りながら議論を進めることができるため、ホームページ制作に携わっている者の間で、認識の齟齬が生まれにくくなり、スピーディに意思決定を行うことができます。
また、ホームページのコンテンツやデザインは、発注者側や、制作者の好みや思考ベースで話が進みがちになるため、実際にコンテンツを作成する際には、常にユーザー目線になっているのかというところにフォーカスする、「指標」があるかという点は非常に重要となります。
ペルソナの作り方
ペルソナを作成する際には、どんな企業や人をペルソナの対象にするのかという点を第一に考えます。
ユーザーやホームページ閲覧者に関しての情報の集積や分析を行っていきます。
ペルソナは、リアルであればあるほど良いため、実際のユーザーにインタビューをすることも多くあります。ただ、実際にまだサービスの提供が開始していないという場合は、ペルソナになりうる人にアンケートやインタビューを行ったり、公開されている調査データなどを元にすることをおすすめします。
写真なども作成したペルソナを連想できるものを設定し、ホームページ制作に関わる全員が、常にイメージできる状態を作っておくことが大切です。
ペルソナは、一度つくって終わりにしない
一度ペルソナを作ったら、それで終わりではありません。
時間やトレンドの経過によって、ユーザーの動向や興味が変わってくる可能性があります。定期的に見直しをすることによって、常にユーザー目線にたったホームページに作り変えることができます。
これを起点にして、ホームページのリニューアルや、別軸でのセカンドサイトの立ち上げなどを検討していくと良いかもしれません。
ペルソナの設計や、ホームページのリニューアルについてお悩みの場合は、プロがアドバイスいたしますので、ぜひUxMEにご相談ください。